KKR高松病院

〒760-0018 香川県高松市天神前4-18

087-861-3261

がん治療サポートチーム

「がん治療サポートチーム」は、いわゆる緩和ケアチームのことですが、がんを抱えた患者様の全人的サポートを行いたいという理念のもと、当院では「がん治療サポートチーム」と名付けました。当院には緩和ケア病棟やホスピス病棟が設置されておらず、一般病棟での緩和ケアサービスを提供させて頂いています。チームは医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、地域連携室、医療安全管理室のメンバーで構成されており、多職種で連携しています。身体的、精神的な苦痛だけでなく、社会的、スピリチュアルな問題についてもより早期に見つけ出し、苦痛の緩和・解決に向けて取り組んでいます。
がん治療サポートチームの特徴は、「チームへのフリーアクセス」をルールとしていることです。チーム発足時から、どの職種でもチームへ依頼することができるという院内ルールで運用しています。実際に、チームへの依頼の約半分は担当看護師からです。私達とコンタクトを取りやすくし、苦痛を抱えた患者様を見逃すことがないようにしています。
近年は、がんと診断された時から緩和ケアが始まると言われていますが、当チームへの依頼は、やはり人生の終末期に差し掛かってからの患者様が多くなっています。そのような患者様に対しては、単に身体的・精神的ケアだけでなく、その人らしい生き方をサポートし、その人らしい人生を全うできるよう、メンバー全員が心を配っています。

チーム構成

医師

小野、石橋(麻酔科)、藤田(消化器外科)、石川(呼吸器外科)

看護師

病棟リンクナース 14名、外来看護師 6名

薬剤師

2名(がん薬物療法認定薬剤師 1名)

栄養士

管理栄養士 3名

リハビリ

理学療法士 3名(がんリハビリテーション研修終了)

地域連携室

MSW 1名

医療安全管理室

MRM師長 1名

年間活動

  • 週1回のチーム回診
    ※ 回診頻度は患者様の状態に応じて随時行います
  • 月1回のチーム委員会
  • 月1回のチーム内勉強会
  • 年4回の緩和ケア通信の発行
  • 年2~3回の緩和ケアセミナー
    ※ 県内外から講師をお招きして開催しますが、現在はコロナ禍で開催延期中です。

がん化学療法

がん治療サポートチームでは、がん化学療法のレジメン管理も行っています。当院では、主に肺癌、消化器癌、泌尿器癌、造血器腫瘍の化学療法を実施しており、前投薬や輸液管理を含めた化学療法レジメンの承認・登録を行っています。当院のホームページから、登録しているレジメン内容をご確認いただけます。更にレジメン別の副作用評価シートや検査値チェックプロトコールを作成し、安全で適正な化学療法の実施を心がけています。

非がん疾患の緩和ケアについて

緩和ケアと聞くと、直感的に悪性疾患に対する緩和ケアと捉えがちですが、2013年頃から、非がん疾患に対する緩和ケアにもスポットライトが当て始められました。この領域には、慢性心不全、COPDなどの呼吸器疾患、end-stageの腎疾患、HIV/AIDS、運動ニューロン疾患、さらには認知症など幅広い疾患が含まれます。本邦においては、罹患者の多い心疾患と呼吸器疾患に対する緩和ケアから始めていこうという機運が高まりつつあります。私達も数年に一度はそのような患者様に関わる機会があります。2025年問題とも関連して、今後益々そのようなケースが増加すると推測され、私達も院内勉強会を開くなどして準備を進めています。

診療実績


がん治療サポートチームへの依頼件数

この10年間で少しずつ依頼件数が減少していますが、これは各主治医の緩和ケア診療スキルの上達によるものと考えています。緩和ケア教育研修の増加に伴い、各主治医の麻薬を使用した症状緩和スキルが上達し、多くの症例は各科で対応できるようになっています。一方、チームへ介入依頼がくる症例は、以前と比較して対応が難しいケースが増えています。