

当科では、呼吸器外科、消化器外科を中心に専門的に手術を行い、小手術も含め年間約350例の手術を行っています。
呼吸器疾患では肺癌を含め自然気胸、縦隔腫瘍等を扱い胸腔鏡補助下の手術も行っています。また、CTの発達により、早期肺癌が多く発見されるようになり、縮小手術も可能になっています。
消化器疾患は胃癌、大腸癌、胆石さらには肝臓癌、膵臓癌の手術も積極的に取り組んでいます。胃切除、大腸切除には、自動吻合器、縫合器を用いて手術時間の短縮を図り、術後の回復も良好になっています。最近の内視鏡の進歩は著しく、早期癌が多数発見されるようになり、術後の質的生活を考慮した縮小手術も行っています。また、腹腔鏡下手術により患者さんの負担を軽くし早期退院を図っています。
一方、急性虫垂炎、消化管穿孔による腹膜炎などの緊急手術にも対応できるよう、スタッフが待機しています。
乳腺、甲状腺疾患さらには動脈疾患、ヘルニア、下肢静脈瘤、痔核の手術も増加しています。
急性期医療を推進するために、中規模病院として融通を利かして地域の患者さんと共に歩む医療を目指しています。
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そけいヘルニアは、下腹部で太ももの付け根の部分を[そけい部]といい、そこから体内の組織が出てきて膨れる状態を示します。本来内臓は筋膜という丈夫な組織に包まれていますが、そけい部で筋膜に緩みができると腸の一部が対外に滑り出て膨らんでくることがあります。そこで異常に気づくことが多いようです。一般に脱腸と呼ばれている病気です。横になって寝ている時は膨らんでこないので、あまり気にしないこともあります。
子供のヘルニアは生まれつきのものですが、大人のヘルニアの場合は筋膜が弱くなった状態で発症するため、重いものを運んだり、立ち仕事が多い人、中高年で体の組織が衰えた人がなりやすいようです。
男性では4人に1人が発症すると言われていますが、女性でもヘルニアになることがあります。
初期の頃は、立った時とか咳、くしゃみをした時に、そけい部の皮下に柔らかい膨らみを触れるようになります。手で押さえると簡単に引っ込みますがしばらくすると同じように膨らんできます。ヘルニアが進んでくると、膨らみは次第に大きくなり、硬くなってきて常に不快感を感じるようになってきます。ある時、大きなくしゃみをした時、急に腸がたくさん出てしまうと元に戻らなくなることがあります。これはヘルニアの篏頓(かんとん)といい腹痛が強く緊急手術が必要になってきます。
そけいヘルニアは下腹部の筋膜の緩みによって発症するため手術以外に有効な治療法はありません。
過去には様々な手術法が行われてきましたが、最近は人工のシートを当てて補強することが主流になっています。
当院ではクーゲル法を主に導入しています。
下腹部に3~4cmの切開創を加え、ヘルニア嚢という袋を切除して、形状記憶リングのついたクーゲルパッチを筋膜の内側にあてて補強するという単純で合理的な手術法です。
手術時間は20分程度です。
そけいヘルニアは下腹部の症状のため、恥ずかしさもあり受診をためらいがちですが、下腹部でも太ももの付け根に膨らみや不快感を感じたら、すぐに受診されることをお勧めします。

単孔式腹腔鏡下手術。皆さんご存知でしょうか?2009年頃から全国的に普及してきた、ちょっと進んだ腹腔鏡下手術手技です。
その名のごとく、単孔式、つまり一つ穴で腹腔鏡下手術を完遂しようとするもので、一番のメリットはその整容性にあります。臍の中を縦に切開するので、術後は傷が残りません(正確には臍に隠れて目につきません)。"傷の残らない手術"と言っても過言ではないかもしれません。我々外科医の中では、かれこれ10年ほど前には臍は触れてはいけない神聖な?部位でしたから、どんな臓器の手術でも臍を避けてメスで皮膚切開を加えていました。今ではその臍のみで手術をしているのですから、手術手技の進歩には驚かされます。傷の化膿するリスクの高そうな、かなりひどい虫垂炎でさえも手術前に臍処置さえしておけば、当科では今まで術後に臍が化膿したことはないので臍の力は偉大です。
さて話は元に戻って単孔式腹腔鏡下手術ですが、当科では胆嚢摘出術や虫垂切除術に単孔式腹腔鏡下手術を数多く導入しております。予想通り患者さまの満足度は高く、非常に高い評価をいただいております。若年者だけでなく、ある程度お年を召された患者さんにも、やはり「傷が一つで済んだ」、「傷が目立たない」という点では大変喜んでいただいています。また、ご満足していただいている患者さんは女性だけではなく、男性の方でも同様です。全国的にこのような低侵襲手術が広まっているのは、患者さんの術後の反応を見ていると必然であることがわかります。
術後の傷の痛みについても、単孔式の手術を受けた患者さん達ををみていますと、通常の腹腔鏡下手術に比べて程度が軽い印象はあります。痛みは数値で表すことができず、個人差もあるため一概には言えませんが、複数の傷があるのに比べて一つの傷で済んでしまった方が痛みは軽いと考えるのが普通でしょうか?当科では腹腔鏡下の胆嚢摘出術や虫垂切除術であっても、全身麻酔に硬膜外麻酔(背中から術後の痛みの緩和のためのチューブを留置する)をほぼ全例に併用しており、患者さんが術後に痛みで苦しむことができるだけないように取り組んでいます。

一つ穴でどうやって手術をするのか?疑問であると思われます。
目に見える傷は一つなのですが、実は傷の中に複数の腹腔鏡用のトロッカー(鉗子や腹腔鏡を出し入れする筒)を差し込んで手術を行っています。写真にあるように、非常に窮屈な姿勢で手術をすることになり、それぞれ両手同志、さらには手と腹腔鏡とが干渉しあって通常の手術に比べて非常に難しくなります。
当然単孔式の手術だからといって、通常の手術に比べて合併症が増えたりしてはいけません。そこは術者の技術でカバーしなくてはなりませんので、安全に単孔式手術を完遂するためには、上記の理由から通常の腹腔鏡下手術に比べて時間はかかってしまいます。また安全性を担保する意味で、すべての患者さんに対して単孔式腹腔鏡下手術を適応とすることはできません。
非常に炎症のひどい症例(胆嚢や虫垂の周囲に膿瘍を形成しているような症例や、胆嚢・虫垂が壊死して腐ってしまっているような症例)では、単孔式手術がお勧めできないことがあります。ぜひ当科専門医にご相談くださいませ。
単孔式腹腔鏡下手術は胆嚢摘出術や虫垂切除術のみならず、腸切除や胃切除にも適応可能なことがあります。当科には日本内視鏡外科学会の技術認定医も複数名在籍しており、腹腔鏡下手術の専門家が揃っております。皆さんのご期待・ご希望に沿えるよう努力していく所存ですので、何でもお気軽にご相談ください。

-胆嚢摘出後- -虫垂切除後-
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佐野 |
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※ヘルニア外来の診察時間は14:00~15:00です。急病・急変時はこの限りではありません。
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